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ここでは 『専門的なネタ』 を中心に扱っています。 モノも割と限定的なので、「分かる人にしか分からない」 可能性があります(汗) ※なお、内容に関してはあくまで 『私見』 であることをご了承願います。※
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………え~、他所もそうなのですが、こちらも更新ができませんでした (_ _;)
いつも更新が遅い……と言ってしまえばそれまでではあるのですが (汗) 、
それにしても、更新について気にはしていてもなかなか上手く行かないと言うのは、
何だかんだで悩みのタネではあったりしています。 (_ _;;;;;)

…それはさておきまして f(^_^;) 、今回は前回、また今回のタイトルの通り、
トレバについて書いてみようかと思います。
………ただ、これにつきましては、根本的にあまり調べていない…と言うのが
本当の所ですので (汗) 、内容そのものは軽く書いてみるだけ、と言うことに
なりそうです。

ついでですのでカテゴリーについてですが、一応は大型兵器である…と言うことで、
『カタパルト@投射機』 に分類することにしました。

…それでは、本文をば。



今回取り扱ってみる、この 「trebushet」 ですが、まず名称について簡単に触れて
みるならば、日本語のカナ書きではよく 「トレバシェット」 「トレビュシェット」 、また
あまり見ることはありませんが 「トレブシェット」 などと表記されています。
辞書などを当たってみても、とりあえず発音については判然としないのですが
(もっとも、発音記号だけだと分かりにくい……と言うのも本音だったりするのですが (汗) ) 、
ここでは一番見慣れている、と言う理由で 「トレバシェット」 の表記で行こうと思います。
《ちなみに、フランス語読みだと 「トレビュシェ」 になるらしいです》

モノについてですが、よく 『平衡錘 (へいこうおもり) 式』 投石機、と言われたりしています。
機構そのものは、長い棒の片方の先端には錘が、反対側の先端には大きなスリング (投石紐) が
取り付けられ、錘の重量を利用してスリングの中に収められた石弾を投擲する………と言った
ところです。
錘の中のバラスト、つまり内容物の量を増減させることで石弾の飛距離を調整していたようで、
錘が軽ければ石弾はあまり飛ばず、錘が重ければ石弾はより遠くまで飛ぶ……と言う感じ
だったようです。 (棒の振れる速度の調整による飛距離の調整、と言った所でしょうか)
紀元前のギリシアや紀元後の、主にローマ帝国が使用した投射機 (総称として) と比べると
随分構造が簡素で、なおかつ規模はほとんどの場合それらより大きかったようです。

トレバシェットが投擲したのはほとんどの場合石弾だったようですが、中世期などの絵には
樽や、中には矢を二本同時に投擲しようとしたものもあったようですが、特に矢を投擲しようと
したものについては、これが実際に運用されたのかどうかは不明です。

モノ (トレバシェット) が運用されていたのは主にヨーロッパなどの中世期で、普及したのは
13世紀半ば以降から……と言うことのようです。
構造が簡素故 (ゆえ) にコストもかからなかったのかも知れませんが、規模が大きいので
用途はほとんど攻城戦に限られていたようです。

また、中国絡みでよく名前の出てくる 「回回砲 (ふいふいほう) 」 ですが、これもトレバシェットです。
「東方見聞録 (世界の叙述) 」 ではマルコ・ポーロが関係したようなことが書かれているようですが、
時間軸の関係などからこれは否定されているようです。
実際にはアラー・ウッディーンとイスマイールと言う名前が出てくることが多く、これが
(中国から見て) 西方からの伝来物であることは間違いないようです。
《…ところで、 「アラー・ウッディーン・イスマイール」 と言う表記も目にすることがあるの
 ですが、そういう名前の一人の人物なのか、それとも 「アラー・ウッディーン」 と 「イスマイール」
 と言う名前の二人の人物なのかが判然としません。
 ここでは一応二人、と言うことで書きましたが…………》



…………さて、では、とりあえずこれくらいでしょうか。 (_ _;)
このトレバシェットが何世紀頃まで運用されていたのかなどは、冒頭の通りモノについて
あまり調べていないので、現状では不明です。 (汗)
また、現状は日本の弩について記録を漁っている状態ですので、トレバについて調べるのが
いつになるのかは全く分かりません。 (_ _;;;;;;;;;)
(やるとなると 「カタペルテース」 等が先になりそうな気も………… f(^_^;) )

…さて、次回は何かネタが出るのか、それとも、ついに過去記事の追記だけになってしまうのか…、
正直言って管理人にも分からない状態です………… ( ̄□ ̄;;;;;;;;;;;;)
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ここ数日は色々ドタバタがありまして、更新が滞ってしまいました…。
しかもドタバタついでに連日雷様まで来る始末、さすがに雷様にはちょっとご遠慮願いたいところです。(汗)
…ちなみに、今現在も鳴っていたりします。何で一日に2回も来てくれちゃうかな~………(T_T;;;;;)

さて、雷様は仕方がないので(汗) 、今回の更新をば。
今回はタイトルの通り 『カタパルト』 について書いてみようかと。
今回はバカ長いのですが、どうぞお付き合いのほどを。(汗)
…では、行ってみましょう………(((((( ;^^)



さて、というわけで (?) 専門ネタ復活です。
今回は前述のとおり 『カタパルト』 で行きたいと思います。

…最初に断っておきますが、ここで書くのは決して 「空母のアレ」 ではありません
そうではなくて、よく 「投石機」 とか 「投石器」 と訳されているアレです。
それについてはご了承下さいますよう。m(_ _)m

それでは、本文をば。




さてさて、この 「catapult」 という単語、簡単に語源を辿 (たど) っていくと、

・(古期かどうか分かりませんが) ラテン語 『catapulta (カタプルタ)』、

そして

・古典ギリシア語 『ΚΑΤΑΠΕΛΤΗΣ (カタペルテース)』

……となるそうです。
そしてこの 『ΚΑΤΑΠΕΛΤΗΣ』 を分解すると

・「ΚΑΤΑ (カタ)」 : 下へ、反して、向かって、等々の意味の接頭語だそうで
・「ΠΑΛΛΕΙΝ (パレイン)」 : 投げつける、くらいの意味らしいです
 (「ΠΕΛΤΗΣ (ペルテース)」:投げつける ・ もの → 「ΠΑΛΛΕΙΝ」。
  "もの" は 『~する人・もの』 の意味での方です)

…となるそうで、『ΚΑΤΑΠΕΛΤΗΣ』 は、要は
『 《"相手"に向かって》 投げつけるもの』、と解釈していいように思います。
《単語という意味で言うならば、「ΠΑΛΛΕΙΝ」 は語形変化しそうな気もしないでも
 ないんですが、実際のところはどうなんでしょう……… σ(--;)》

ところで、ローマでは (↓両方とも撚りばね二本のものです)

・ 『catapulta』 は矢を発射するもの
・ 『ballista (バリスタ)』 は石を発射するもの

であって、いわゆる 「投石機」 (撚りばね一本のアレです) は

・『mangona (マンゴーナ)』 : →古典希語「ΜΑΓΓΑΝΟΝ (マンガノン)」、 "兵器"
 (通称? 「onager (オナゲル)」)

……というのをまま見るのですが、どうなんでしょうか…………σ(・・;)

でも実のところ、そこまでラテン語や (古典) ギリシア語を勉強した訳では
なく必要な単語のみをかじっただけというレベルなので、間違い等々ありましたら
ご指摘よろしくお願い致します。m(_ _;)m

モノそのものについてですが、海外の書籍 (今のところ翻訳本のみですが) を
見ていると、どうやら最初期のものはおよそ紀元前400年前後に開発されたようです。
それが 『ΓΑΣΤΡΑΦΕΤΗΣ (ガストラフェテース)』 で、これはよく
「クロスボウのようなもの」と言われます。
(正直に言ってしまうと、ギリシア語のスペルがかなり怪しいです…… (汗))
ですが、これ (ガストラ~) は本体部、クロスボウで言うところの弓床
(弩床、ガイドとも) が上下二つに分かれており、上部を前方にスライドさせて
鈎爪で弦を掴まえ、下部手前側に取り付けられたU字 (…と言うよりもむしろ「ひ」の字型?) の
ハンドルの両端を握り、前方に押し込んでいくことで弦を引く (弓を張る) …ということなので、
実質的にはクロスボウや弩とは見てくれこそそう大きく違わないものの、
異なる部分も多いもののようです。
やがてそれを、人力で押し込むのではなく、巻き上げ機や滑車などを応用して
直接後方から引く方法が取られたりもしたそうで (これは台座に乗せられたよう
ですが) 、さらには強化改良のために大型化もされていたようです。

それから、いわゆる 「撚りばね」 二本の、「ballista」 の名称で有名 (?) なものも
また、最初の出現はおよそ紀元前400年前後と考えられているようで、これも
『ガストラ~』同様に、様々な強化・改良が施されていったようです。
ちなみにこのタイプのものは原理を変えた実験も色々とされていたようで、
撚りばねのほかに金属ばねや、果ては圧縮空気を利用したものまで実験的に
製造されていたようです。
(↑さすがにこういったものは実験のみで終わったらしいですが)

ここまでのものは、その構造上、ガイド (弓/弩床) 部や弦の構造などを少し
いじってやれば、矢でも石でも撃てることは見当がつくかと思います。
(クロスボウや弩でも矢や石を撃てることから考えてみると分かりやすいかと
思います。
弓でも『弾弓 (だんきゅう、ダンコンとも) 』という石弾用のものがありますしね)

『catapult』 でよく言われる 「投石機」 (アームが一本のやつですね) は、
文献に現れてくるのはローマ時代あたり、つまり紀元後になってからだそうで、
紀元前と言われるような時代には、全く作られて、使われていなかった…という
ことこそなかったろうけれども、そう頻繁に使われてはいなかったのでは
ないか……と考えられているようです。
またこの頃のものは、アームの先端に一本ピンが突き出た金属のカバーを
かぶせ、大きなスリング (投石紐 (とうせきひも) ) を、片方はアーム (または
金属のカバーに?) 、もう片方はカバーの先端から突き出たピンにかけ、
石弾はそのスリングに収める……というものだったそうです。
「大きな匙 (さじ) 、スプーン」は、おそらくはもう少し年代が経過してからの
ことかも知れません。
(↑この辺はあまり調べていないので……… f(--;))


「投石機」 はその後 『trebuchet (英:トレビュシェット)』
( 『回回砲 (ふいふいほう) 』 もコレですね) などが出てくるわけですが、
これらはやはり弾体は石弾を中心としています。
《もっとも、『trebuchet』 は動物や敵の首 (汗) や、その他色々なものも
 投げていたということですが…。しかも、どこぞの絵には構造は大きく
 変えずに矢を二連装で投げようとしたものも描かれているらしいです (汗)》

ちなみに、アーム一本の投石機とクロスボウは第一次大戦中などにも使われたと
いうことで、どちらも"至近距離での塹壕戦" で、手榴弾を撃ち込むのに
使われたとのことです。



おまけに二つほど。

『catapult』 はよく 「投石機」 「投石器」 と訳される、というのは冒頭にも
ちょっと書きました。
…でも、色々見ていると、「投石機(/器)」 と訳すよりは、どちらかと言うと
「投射機」 とでも訳してもいいんじゃないか、と思えてきます。
現状、海外 (主に英語圏) の文を見る分にはそういった感じがするので、
このカテゴリーも 『~@投射機』 としました。
でも、これも 『私見』 シリーズのうちですので、そこはご了承のほどを。(^_^;)

そしてもう一つ、『catapult』 は、名詞のほか、動詞としても使われることが
あるそうです。
意味は 「カタパルトで打ち出す」 とか 「飛び出す」 とか、
英国では 「パチンコで飛ばす」 とか、「突然(別の状態に) する」 とか、
そういう意味だそうです。
ですので 『catapulted ~』 とか、そういう使い方もあるわけです。

…というわけで、おまけでした。 f(^_^;)



…………さて、大体はこれくらいでしょうか。(--;;;;;)
まだまだ調べ足りないことも多いと思いますが、とりあえずこれで。

今回は、想像以上に長くなりすぎてしまいました……… (_ _;;;;;)
ここまで読んで下さった方に、またしても感謝を。(T人T;;;;;)

……それにしても、書きながら疲れているようでは世話が
ありませんね………… f(_ _;)



※参考図書 : 「古代のエンジニアリング」 : 宮城 孝仁監訳/地人書館※

 《↑原著 : 「ENGINEERING IN THE ANCIENT WORLD」 : Landels, J.G./CALIFORNIA》



……何だか雷様が本気でヤバいので、今回はこれにて。 (((((( ;><)
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